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RTX SparkのノートPCを起動し、最初の画面でAIエージェントを選んでインストールする。モデルや設定を自分で探し回らなくても、対応アプリがRTX Spark向けの構成を案内する。NVIDIAが発表したエコシステムの更新は、そんな使い始めの場面から、動画編集やゲーム、開発までをカバーしている。

NVIDIAとMicrosoftは、RTX SparkノートPCを2026年10月16日に発売すると発表した。発売に合わせて、各社がソフトウェアやモデルの対応を進めている。この記事では、発表された内容を用途ごとに整理する。なお、最大性能や対応状況はアプリのバージョン、設定、利用するモデルによって変わるため、実際に使う際は各製品の案内も確認したい。

ローカルAIエージェントを始めやすく#

RTX Sparkは、最大128GBの統合メモリと、最大1ペタフロップスのAI計算能力をうたうPCだ。NVIDIAは、GitHub Copilot、Hermes、OpenClaw、Perplexity、Pi、WorkBuddyなどのエージェントアプリについて、導入を簡単にする更新を案内している。対応アプリはRTX Spark向けのローカルモデルや設定を提案し、数回の操作でセットアップできるとしている。

安全面では、NVIDIA OpenShellとMicrosoft Execution Containers(MXC)を組み合わせる。MXCはOSレベルの隔離環境を提供し、OpenShellは導入を簡単にしたり、認証情報の保護やセキュリティ監視を行ったりする仕組みだ。OpenClawとGitHub CopilotはすでにMXCに対応。Hermes Agentも、10月末までに細かなOpenShell制御とMXCを統合する予定とされている。

ローカルモデルだけで足りない作業には、クラウドモデルを併用する選択肢もある。NVIDIAのオープンソースのモデルルーター「Switchyard」は、問い合わせに応じてローカルとクラウドのモデルを振り分ける。Hermesは10月後半に対応予定で、GitHub Copilotなどは独自のルーティング機能を取り入れている。

ローカルで動かすモデルとして紹介されたのが、Nemotron 3.5 Bolt 74B-A9Bだ。総パラメータ数は740億、アクティブパラメータ数は90億のMoEモデルで、2ビット量子化を使い24GBに収める設計。llama.cpp、vLLM、Ollama、Unsloth、LM Studioから実行でき、HermesやOpenClawからも利用できるとしている。NVIDIAは、トレーニングデータや重み、レシピを含めてオープンソースで公開すると説明している。

クリエイティブ作業はアプリごとに最適化#

AdobeはPhotoshop、Premiere、Substance 3DなどをRTX Spark向けに最適化し、クリエイティブ作業の一部で最大2倍の高速化を掲げている。PhotoshopではGPUアクセラレーションによる合成処理、Premiereでは再生やレンダリング、カラーグレーディング、AI機能などが対象だ。Substance 3D Painterでは、高解像度メッシュのベイクや大規模プロジェクトの読み込み、保存、書き出しを改善するという。

提供時期は機能によって異なる。PhotoshopとPremiereのAI機能最適化はベータ版で利用可能とされ、Substance 3Dの更新は近日公開予定。最大2倍という数字はNVIDIAとAdobeの発表に基づくため、手元のプロジェクトで同じ差が出るかは、素材や処理内容を使って確かめたい。

NVIDIA Broadcast 2.3はダウンロード可能で、RTX Spark上でネイティブ動作する。新しいVideo Super ResolutionやVideo Frame Generation、スタジオ音声プロファイルに加え、録画済みファイルへエフェクトを適用するオフライン処理に対応する。MCPサーバーとスキルも追加され、AIエージェントからエフェクトや設定を操作したり、ファイルを処理したりできる。

ComfyUIにはRTX Video Frame GenerationとRTX Video HDRのノードが加わる。フレーム生成は対応GPUで映像のフレームレートを上げ、HDR機能はSDR映像をHDRに変換する。RTX Video Super Resolutionと組み合わせれば、アップスケールから仕上げまでを同じワークフロー内で扱える。NVIDIAの例では、LTX 2.5で作った1080p・30fpsのSDRクリップを、60fpsのHDR動画に変換し、カラー調整向けのEXRとして書き出す流れが示されている。

Blenderはバージョン5.3のベータ版でRTX Sparkに対応。DLSSレイ再構成は11月に追加予定で、ビューポート上の操作やプレビューを滑らかにする狙いだ。導入する場合は、現在使っているプラグインや制作環境との互換性も確認しておこう。

開発環境はWindows on Armにも広がる#

開発者向けには、PyTorch、Python、CUDAとCUDAライブラリの対応が進んでいる。NVIDIAとMicrosoftは、Windows on Arm向けのPyTorch-CUDAビルド、Python 3.15のネイティブビルド、2,000超のCondaパッケージを含むネイティブインストーラーを案内した。また、主要なPython wheelパッケージの15,000件中97%が対応済みとしている。

Windows上で開発環境をまとめて整える「Windows Developer Config」も用意される。Windows Subsystem for Linuxを使えば、クラウドへの公開に使うパッケージをローカルで扱える。CUDAの知識を補うため、NVIDIAはCUDA-Xのツールやライブラリをエージェントに使わせるオープンソースの「NVIDIAスキル」も公開する。

コーディングエージェントでは、GitHub CopilotがMXCに対応し、モデルルーターHydraFusionを更新してローカルモデルを扱えるようにする。MicrosoftはMAI 1.1 Coding Flashなどのコーディングモデルをローカルで使えるようにし、Windows MLのバックエンドにllama.cppを追加する。ローカルモデルを使えばクラウドへのリクエストを減らせるが、利用できるモデルや応答品質は設定によって異なる。

llama.cppは、Windows向けのGUIアプリ「Llama Windows」も提供する。Windows 11のシステムトレイから起動し、コマンドラインを使わずにモデルをダウンロードして実行できる。対応モデルはHugging Face Hubから選べるため、まず小さなモデルで導入手順を試し、動作を確かめてから用途に合わせて選ぶとよさそうだ。

ゲームとAIキャラクターの対応も発表#

NVIDIAは発売日に、数百の人気ゲームが利用可能になるとしている。発表には『サイバーパンク2077』『フォートナイト』『原神』『ホグワーツ・レガシー』『崩壊:スターレイル』『マーベル・ライバルズ』『NBA 2K27』などが挙がっている。DLSS、Reflex、レイトレーシング、G-SYNCに加え、マルチプレイヤーゲームのアンチチート対応も進めたという。個々のタイトルでの対応機能や性能は、発売後にゲームごとの情報を確認したい。

DLSS 5はRTX Sparkの発売日に登場すると発表された。新しいAIモデルは従来モデル比で2倍高速とされ、10月16日に『NBA 2K27』で初登場。NVIDIAは同タイトルでフレームレートを最大1.4倍にできるとしている。『ホグワーツ・レガシー』には11月5日、『風燕伝:Where Winds Meet』には11月下旬から順次対応予定。RTX Remix向けのDLSS 5対応アップデートは10月23日を予定している。

ゲーム内AIキャラクター向けには、Nemotron 3.5 Bolt E4B 4GBが10月23日に公開予定だ。音声での会話や複数ターンのツール利用、アプリの状態に応じた応答を想定した小型言語モデルで、SkyrimNETではNPCとの対話に使える。SkyrimNETはクラウド推論とローカル推論の両方を扱うため、ローカルで動かす場合の使い勝手や負荷は、実際の環境で試す必要がある。

使う予定のアプリから対応状況を確認#

発表内容を試すなら、まず用途を一つ決めて対応アプリを確認しよう。AIエージェントを使う人は、セットアップ対象のアプリとローカルモデル、MXC対応状況を調べる。動画制作ならBroadcast 2.3やComfyUIの新ノード、開発ならWindows Developer ConfigやLlama Windowsが候補になる。ゲーム目的なら、遊びたいタイトルで対応するRTX機能とアンチチートの状況を確認しておきたい。

機能の公開日は予定を含み、地域やアプリの更新状況によって利用開始時期が異なる可能性がある。NVIDIAの発表ページと各ソフトウェアの更新情報を見比べながら、手元の作業に関係するものから試してみよう。RTX Sparkを検討中なら、発売後に使いたいアプリの動作条件を確認し、必要なモデルやソフトを先にリストアップしておくと導入がスムーズだ。

出典: https://blogs.nvidia.co.jp/blog/local-ai-rtx-spark-laptops-software-updates/

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