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月初に投資先を見直す。候補は創業板ETF、ナスダックETF、金ETFの3つ。過去21営業日の値上がり率を比べて、一番強いものをひとつ持つ。翌月も同じ手順で順位を確認し、首位が入れ替わっていれば乗り換える。

これが動量輪動の基本的な考え方だ。値上がりを予言するのではなく、すでに強い資産を選び、弱くなったら別の候補へ移る。手順は単純だけれど、候補の選び方や調整頻度、下落時の扱いで結果は大きく変わる。

動量輪動は「強さの順位」で選ぶ#

動量とは、一定期間に価格がどれだけ動いたかを表す指標だ。単純な値上がり率なら、次の式で計算できる。

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動量 = 現在価格 ÷ N営業日前の価格 - 1

たとえば過去21営業日で、ETF Aが4%上昇、ETF Bが1%上昇、ETF Cが3%下落していたら、順位はA、B、Cの順になる。ルールが「最上位を保有する」なら、Aを選ぶ。次の調整日に順位を計算し直す。

この方法は、強い資産の上昇がしばらく続く傾向を利用する。ただし、その傾向がいつまでも続くわけではない。急な相場反転では、直前まで首位だったETFが大きく下げることもある。動量は将来の利益を保証する予測ではなく、過去の値動きを使った選択ルールだ。

まず決めるのは候補、期間、調整日#

実際にルールを組むなら、最初に次の項目を決めておく。

  • 候補にするETF
  • 何営業日分の値動きで順位をつけるか
  • どの頻度で順位を計算し、保有銘柄を見直すか
  • 候補がすべて下落しているときにどうするか

候補には、流動性があり、価格データを十分に確認できるETFを選ぶ。株式市場や地域、業種の違うETFを組み合わせると、ひとつの市場だけに依存しにくくなる。ただし、ETFを増やせば自動的に安全になるわけではない。中身の銘柄や値動きが似ていれば、分散効果は限られる。

期間は、短いほど反応が速く、順位の入れ替わりも増えやすい。長くすると値動きの変化に追いつくまで時間がかかる一方、短期の揺れには振り回されにくくなる。ひとつの目安として、20〜60営業日を短期、60〜120営業日を中期、120〜252営業日を長期として試す方法がある。どの期間がよいかは、候補や検証期間によって違う。

調整頻度にも同じトレードオフがある。毎日なら変化を拾いやすいが、売買が増えてコストもかさむ。週ごと、月ごとに見直す方法もあり、月次は売買を抑えながら順位を追う設定の一例だ。調整日を「毎月の最終日」などと曖昧にせず、「新しい月の最初の取引日」のように具体的に決めると、検証条件をそろえやすい。

1銘柄保有と複数銘柄保有は別のルール#

動量輪動という言葉から、上位のETFをいくつか買う運用を想像する人もいる。実際には、最上位の1銘柄だけを持つ方式もあれば、上位2〜3銘柄を等しい比率で持つ方式もある。集中度も売買の動きも違うため、同じものとして扱わないほうがいい。

策引の「動量輪動戦略」は、候補の中から動量が最も強い1銘柄を選ぶ設定だ。複数の上位銘柄をまとめて持つ戦略とは異なる。たとえば候補が3銘柄でも、3つに分けて投資するのではなく、基本は首位の1銘柄を保有する。戦略の説明やパラメーターを確認するときは、この違いを押さえておきたい。

回測ではリターンだけを見ない#

回測は、過去の価格データにルールを当てはめ、どのような結果になったかを調べる作業だ。比較するときは、少なくとも次の点をそろえる。

  • 候補ETFと検証期間
  • 動量の計算期間
  • 調整頻度と調整日の決め方
  • 売買コストの見積もり
  • 比較対象となる指数やETF

損益だけでなく、最大ドローダウン、値動きの大きさ、取引回数、売買コストも確認する。年率リターンが高く見えても、途中で大きく下落していたり、売買が頻繁でコスト負担が大きかったりすれば、実際に続けられるかは別問題だ。

策引の解説には、動量輪動の典型的な成績例として、年率リターン8〜15%、最大ドローダウン15〜25%といった数値が掲載されている。ただし、これは将来の成績を約束する数字ではない。市場環境や候補、パラメーター、コストの置き方で結果は変わる。自分の条件で再現するかは、検証データを確認する必要がある。

回測の条件を何度も変更し、最も見栄えのよい結果だけを選ぶのも危険だ。過去の特定期間に合わせた設定は、別の相場では機能しないかもしれない。期間を分けて検証したり、候補やパラメーターを変えた場合にも結果を確かめたりして、ひとつの数字に頼りすぎないようにしたい。

下落相場で「最強」がマイナスになることもある#

候補のうち首位のETFを選ぶだけのルールは、相場全体が下がっていても何かを保有し続ける。首位の値動きがマイナスでも、ほかの候補より下げ幅が小さいという理由で選ばれる場合があるからだ。

策引の設定では、防御用ETFを候補に加えたうえで、一定の条件に応じてそちらへ移る方法がある。条件には、リスク資産の動量が防御用ETFを下回ったら切り替える「相対強度の門槛」と、首位の動量が指定値以下なら切り替える「絶対動量の門槛」がある。前者は防御資産との強さ比べ、後者はリスク資産自体が上昇しているかを見る仕組みだ。

防御用ETFを指定する場合は、その銘柄コードを候補リストにも加える必要がある。設定欄にコードを書くだけで、自動的に売買対象へ追加されるわけではない。候補リストにないコードは、想定した防御動作につながらないことがあるので、設定内容を一緒に確認しよう。

策引のパラメーターを読む#

策引の動量輪動戦略では、主に次の項目を使う。

  • momentum_period:動量を計算する過去の営業日数
  • rebalance_frequency:調整頻度。dは日次、wは週次、mは月次
  • defensive_symbol:防御用ETFのコード
  • use_defensive_relative_gate:防御用ETFとの相対比較を使うか
  • absolute_momentum_threshold:首位の動量がこの値以下なら防御用ETFへ移る基準

設定例では、21営業日の動量を使い、月次で創業板ETF、ナスダックETF、金ETFから首位を選ぶ。調整は新しい月の最初の取引日に行う。防御用ETFも使うなら、その銘柄を候補に加え、どの条件で切り替えるかを設定する。設定例が自分の運用に合うかは、候補と条件を見たうえで判断したい。

実運用の前に確認すること#

回測どおりに売買するには、価格のずれや注文の出し方も考える必要がある。売買価格の差、手数料、市場への注文の影響は、検証上の利益を小さくする場合がある。月次で順位を計算するルールでも、調整日に価格が大きく動けば、想定した価格で取引できないことがある。

また、資金の一部を引き出す予定や税金、口座ごとの取引条件も実運用に関係する。損失が続いたときにルールを続けるのか、一時停止するのかも、成績が悪くなってから決めるのでは遅い。事前に自分の運用ルールとして整理しておこう。

動量輪動は、相対的に強いETFへ定期的に乗り換える方法だ。回測ではリターンだけでなく、下落幅やコスト、売買回数まで確認する。策引で自分の候補を設定するなら、まず期間と調整頻度を決め、防御条件を含めたルールを過去データで確かめてから、公式の設定説明や関連ケースを確認しよう。

出典: https://www.myinvestpilot.com/docs/strategies/momentum-rotation

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